タコめしふねくんのたび

2022年07月04日

じごくのラーメンや

みなさんは「ラーメンの日」という記念日があることを知っていますか?
7月11日は「ラーメンの日」らしいです。由来は、7と11の7をレンゲに、11を箸に見立てたことと、ラーメンを最初に食べたとされる水戸黄門の誕生日が7月11日だということからきています。
そこで今回は、ラーメンが出てくる絵本を紹介します。
みなさん、ラーメンを食べて、暑い夏を乗り切りましょう。

じごくのラーメンや

じごくのラーメンや
苅田 澄子
教育画劇
2010-04-01





絵本データ
作:苅田澄子 絵:西村繁男
出版社  教育画劇
出版年  2010年4月
大きさ  24×19㎝
ページ数 32ページ



あらすじ

地獄と呼ばれる場所があります。

血の池や針の山があり、赤鬼や青鬼が迎えに来る怖いところです。

地獄の人間たちは、いつもため息をついています。

「天国にはおいしいお菓子がたくさんあるのに、地獄には何にもない。地獄なんて大嫌い!」

それを聞いた閻魔様は、かんかんに怒りました。

そして、閻魔様は地獄にぴったりの辛いラーメンを作ることにしました。

大がまに真っ赤なスープがぐらぐら沸いて、地獄名物「血の池ラーメン」ができあがりました。

ところが、あまりにも辛すぎて、みんなは食べ切ることができません。

そこで閻魔様は、全部食べたら天国に行ける、というご褒美をあげることにしました。

ラーメン屋は、天国に行きたいという人間たちで大繁盛です。

辛いにおいは、天国にも届きました。

仏様たちは、ラーメンを食べに地獄に行くことにしました。

全部食べたら何でも言うことを聞く、ということにしました。

ところが、仏様たちも全部は食べられません。

そのとき、「ごちそうさま、おいしかった」という声が聞こえてきました。

声の主はちっちゃなお地蔵様です。

それからというもの、ラーメン屋の電話は鳴りっぱなしになりました。

仏様との約束ってラーメンの出前だったのですね。

地獄はすっかり変わり、血の池はぽかぽかの温泉に、針の山は梁は錆びてぽきぽきになりました。


感想

読み終わった後は、思わずラーメンが食べたくなる絵本です。

地獄と聞けば、怖いところ、閻魔様は恐ろしい人というイメージを持っている人がほとんどだと思います。

しかし、この絵本に出てくる閻魔様はぜんぜん怖くありません。

それどころか、人間のお願いを聞く気前の良さ、がははと笑う懐の広さを持っています。

人間の不満を聞き、天国に対抗意識を持つところがおもしろいですね。

どっしりとかまえている閻魔様をイメージしていたので、そのギャップの違いに笑ってしまいました。

血の池ラーメンのにおいが天国にも届き、仏様たちが食べに来ます。

仏様たちも降参している中、お地蔵様だけは全部食べてしまいました。

これには閻魔様もびっくり!

約束通りラーメンの出前をすることになりました。

天国と地獄は相容れない関係だと思っていただけに、この展開は想像していませんでした。

ありえないことが多く、どのページを見ても笑えるユーモア満載の絵本です。

読み聞かせのとき、盛り上がること間違いなしです。


まとめ

絵と文字  ★★★★

絵本の内容 ★★★★★

読み聞かせ ★★★★★

ありえない展開が続くので、読んでいて楽しいです。文章は若干多めですが、内容がおもしろいので絵本の中に引き込まれていく感じになります。こんな地獄があったら行ってみたいと思いました。
読み聞かせは、4歳からがおすすめです。



※評価はあくまでも私見です。絵本選びの参考にしてください。














コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
タコめしふねくんのたび